合理的配慮

以下、「合理的配慮」について、文部科学省の 政策・審議会   初等中等教育分科会 の資料より引用しています

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資料1 特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告 

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進として、障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備が求められています。

「合理的配慮」とは、「障害のある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」であり、「学校の設置者及び学校に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」、と定義した。なお、障害者の権利に関する条約において、「合理的配慮」の否定は、障害を理由とする差別に含まれるとされていることに留意する必要がある。

○ 障害のある子どもに対する支援については、法令に基づき又は財政措置により、国は全国規模で、都道府県は各都道府県内で、市町村は各市町村内で、教育環境の整備をそれぞれ行う。これらは、「合理的配慮」の基礎となる環境整備であり、それを「基礎的環境整備」と呼ぶこととする。これらの環境整備は、その整備の状況により異なるところではあるが、これらを基に、設置者及び学校が、各学校において、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、「合理的配慮」を提供する。

○ 「合理的配慮」の決定に当たっては、障害者の権利に関する条約第24条第1項にある、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするといった目的に合致するかどうかの観点から検討が行われることが重要である。

○ 「合理的配慮」は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定されるものであり、設置者・学校と本人・保護者により、発達の段階を考慮しつつ、「合理的配慮」の観点を踏まえ、「合理的配慮」について可能な限り合意形成を図った上で決定し、提供されることが望ましく、その内容を個別の教育支援計画に明記することが望ましい。なお、設置者・学校と本人・保護者の意見が一致しない場合には、「教育支援委員会」(仮称)の助言等により、その解決を図ることが望ましい。また、学校・家庭・地域社会における教育が十分に連携し、相互に補完しつつ、一体となって営まれることが重要であることを共通理解とすることが重要である。さらに、「合理的配慮」の決定後も、幼児児童生徒一人一人の発達の程度、適応の状況等を勘案しながら柔軟に見直しができることを共通理解とすることが重要である。


文部科学省のホームページには、障害のある子どもが十分に教育を受けられるための政策が細かく載っています。


息子が高校1年、認知的アンバランスの診断報告を受け、適応障害抑うつ状態と診断された後、学校は即座にケース会議を行ってくださいました。親の意向を尊重し合理的配慮を整えようとしていただきました。
「合理的配慮」という言葉さえ知らなかった私に、当時のスクールカウンセラーの先生から、「支援が必要な子供には合理的配慮がされないことは差別になるんですよ。保護者の要望を伝えてみてください。学校としては出来ることと出来ないことがあるかもしれませんが、まずは伝えてみましょう」と助言してくださいました。
息子が登校することが出来た時に、どのようなことに気を付けてほしいとか、こんなことに配慮してほしいか…ということを主人と話し合いながら書面にし、学校へ提出しました。
本来であれば、出席日数がたりず、テストも受けなければ単位が取れませんので、やめざるを得ないのが高校ですが、最後まで息子の復帰を願って補講計画や配慮の方法等一生懸命考えていただきました。
残念ながら、息子は学校へ復帰することはできませんでしたが、前籍高校の先生方には私のような親に付き合っていただき、本当に感謝しています。
親の知識(私の場合はスクールカウンセラーの先生からのアドバイス)によっては、学校も動きやすくなることがあると思います。また、義務教育ならば高校よりも制限される枠が広く生徒や児童に合わせた配慮が提供されるのではないかと思います。
子どもの学校復帰を目指すならば、お子さんを第一に考え、親として学校に協力をお願いすることは大切なことですし、親と先生との信頼関係を深めることは、多少なりとも子どもと先生との信頼関係にも影響し、大切なプロセスのように感じています。
学校へ戻すことがベストかどうかはわかりませんが、出来ることから試してみる、行動してみる。学校でも聞き入れることが出来ること出来ないことはありますし、私が知らなかったことがあったように、先生も知らないこともあって当然ですから、それは伝えればいいのです。
合理的配慮を断ることは差別につながりますので、まずは前進するために考えて行動することが大切だと考えます。
そして私の場合は、自分自身の思いを伝え行動したことで見えてくるものもたくさんありました。その時すぐには気づくことはできませんでしたが、自分自身を振り返り客観的に見つめなおすことができたきっかけになり、今に至っています。
座談会では、息子の診断報告書と学校への支援依頼書、学校からの支援シート等、当時の資料を展示して閲覧可能にしてあります。参考にされたい方は是非座談会へ参加してみてください。


にじいろの風船

群馬県太田市 2019. 9.15 ~ 一緒に集い学び支え合っていきませんか

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