「やる気」に頼らないコツ

~子どもの最初の一歩を軽くするために~

夏休みになると、子どもから

「宿題をやろうと思っている」

「やらなきゃいけないのは分かっている」

「でも、なかなか始められない……」

という言葉を聞くことがあるかもしれません。

そのような姿を見ると、親としては「早く始めればいいのに」「やる気がないのでは」と感じることもあります。しかし、始められないのは、必ずしもやる気がないからとは限りません。

人には、未来のメリットよりも、「今の楽しさ」や「今の楽なこと」を優先しやすい心のクセがあります。これを「現在バイアス」といいます。

そのため、「宿題を終わらせれば安心できる」という未来の安心感よりも、「今は動画を見たい」「ゲームをしたい」という目の前の欲求が強くなりやすいのです。

では、子どもがなかなか動き出せないとき、どのように関わればよいのでしょうか。

ポイントは、**「やる気が出るのを待たないこと」と「最初の目標を小さくすること」**です。

「全部終わらせよう」

「今日はここまでやろう」

と大きな目標を示されると、子どもは始める前から負担を感じることがあります。

そのようなときは、

「まず5分だけやってみる?」

「1ページだけにする?」

「ノートを開くところから始めようか」

など、最初の一歩を小さくしてみます。

人の脳には、行動を始めることで少しずつ集中しやすくなる働きがあります。「やる気が出たから始める」のではなく、始めてからやる気がついてくることも多いのです。

自転車を思い浮かべてみてください。止まっている状態からペダルをこぎ出すときには力が必要ですが、一度走り出すと、その後は少ない力でも進みやすくなります。勉強や片づけも、それとよく似ています。

始めるまでは面倒そうにしていても、いざ取りかかると、

「意外と続けられた」

「思ったより集中できた」

ということがあります。

たとえば、

・5分だけ問題を解く

・机に向かってノートを開く

・机の上を一か所だけ片づける

・必要な教材を用意する

このように、「これならできそう」と思えるところまでハードルを下げると、動き出しやすくなります。

親ができるのは、無理にやる気を出させることではなく、子どもが始めやすい大きさまで課題を小さくする手助けをすることです。

「まだやらないの?」と急かす代わりに、

「どこからなら始められそう?」

「5分だけ一緒にやってみる?」

と声をかけることで、子ども自身が最初の一歩を選びやすくなります。

夏休みの課題や受験勉強、日々の片づけなどで、子どもが「後でやる」と動けずにいるときは、まず目標のハードルを下げてみましょう。

ただし、「5分だけ」でも難しい日があります。そのようなときに無理をさせる必要はありません。疲れや不安が強くないかを確認しながら、その日の子どもにできる、さらに小さな一歩を一緒に探していくことが大切です。

にじいろの風船

群馬県太田市 2019. 9.15 ~ 一緒に集い学び支え合っていきませんか

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