視点が変わると、見える世界も変わる

~ パラダイム・シフト ~

日々、誰かの話を聴いたり、自分の気持ちを話したりする中で、心が動く瞬間に出会うことがあります。行き詰っていた気持ちが少しずつほどけて、「どうしたらいいのかわからない」と悩んでいたことが、話しているうちに、ふと視界が開けたり、違った見方に気づいたりすることがあります。それまで見えていなかった“道筋”や“可能性”が、ぱっと現れてくる瞬間。そんな経験を皆さんもしたことがあるのではないでしょうか。

このような心の変化の背景には、「ものの見方=パラダイム」が変わるという、内面的な心の動きがあるといわれています。

今回は、そのような心の変化を象徴するたとえ話として、気持ちの持ち方や考え方のテーマでよく取り上げられる「ビンの中のノミ」の話をご紹介します。

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ノミは、自分の体の100倍以上、つまり1m近くも跳び上がることができる生き物です。

そのノミを高さ20cmほどのビンに入れてフタをすると、ノミは逃げようとして何度もジャンプをしては、フタにぶつかることを繰り返します。

やがてノミは、「これ以上は跳べない」とあきらめ、だんだん低くしか跳ばなくなってしまいます。

数日後、フタを外してみますが、ノミたちは以前のように高く跳ぶことができず、ビンの外に出られなくなっています。

しかし、そこに元気に高く跳べる別のノミを入れてみるとどうなるでしょうか。

新たに入ったノミは、ためらうことなくビンの外へ跳び出します。

その様子を見ていた「跳ぶことをあきらめたノミ」も、自分の力を思い出したかのように、再び跳び始め、ついにはビンの外に出ていくのです。

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どうでしょうか。ノミたちは何度もフタにぶつかる経験を通して、「これ以上はムリ」という思い込み=パラダイムを学んでしまっていたのです。

ところが、後から入ったノミの姿がきっかけとなり、「あ、自分にもできるかも!」という気づきが生まれました。

このように、それまでの常識や価値観が大きく変わる瞬間を「パラダイム・シフト」と言います。

私たちの日々の悩みや問題の背景にも、「こうでなければならない」「どうせ無理だ」といった思い込みというパラダイムが影響していることがあります。「もしかしたら、自分にも“フタ”をしているかもしれない」と気づくこと、、「やってみたい」「ちょっと気になる」といった気持ちを大切にすることが、変化の第一歩になります。

子供たちの成長を見守る中で、できることがあります。それは、自分の中の「思い込み」に気づき、小さなパラダイム・シフトを日常に取り入れてみることです。
また、「どうせ無理」「あなたには難しい」のようなパラダイムを子供たちに植え付けないようにすること。

悩みや問題にとらわれすぎず、楽しいこと、やってみたいこと、できたことなどに意識を向けてみましょう。気づけば心が軽くなっているかもしれません。

大人自身が変化を楽しむ気持ちを持つことが、子供たちへの何よりのメッセージにつながるはずです。

にじいろの風船

群馬県太田市 2019. 9.15 ~ 一緒に集い学び支え合っていきませんか

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